屋根材について説明します。

 屋根は外装で一番耐久性が必要とされる部位です。日射、降雨、積雪、風圧、さらには耐震まで求められます。
 そのため、屋根素材、そして塗装方法には正しい知識と選択が必要です。現在の状況によって吹き替えなのか、それとも塗替なのかも、お客様のご希望を踏まえながらプロが判断していく事となりますので、正確な判断の出来る会社をお客様ご自身で選ぶ必要があります。

 ひとことで『屋根材』と言っても、実は様々な種類の屋根があります。それは、長年の歴史の中で日本人が開発してきた物語でもあります。

 違う角度から『屋根材』を表現すると、①コスト面、②お家の長期耐久性面(屋根が重たいと家が長持ちしませんもんね)、③耐候性面(日本各地の自然環境の中で劣化から守るため)、④意匠性面(見た目のオシャレ)、によって様々な屋根があるというのが現状です。


 そのような前提で、屋根材を分類すると、以下の4つのタイプになります。

粘度系

セメント系
スレート系

金属系

それぞれに特徴がありますので、順にご説明いたしましょう。

1.瓦(和瓦・洋瓦)

 越前瓦や洋瓦もこちらに分類されます。非常に耐久性が高く、日射、風圧に強いのが特徴であり、越前瓦では葺き替え周期は50年と言われるほどの長寿命素材です。

 瓦は重なって屋根上に葺かれているので上からの防水効果はありますが、風による吹き込みでは重なり部分から内部への浸水が起きる可能性もあります。ただ、瓦下には防水のためのアスファルトルーフィングが敷いてあり、一時的な防水処置は可能です。

 常にズレや割れの確認を行い、重ね部分からの浸水対策を行う事で雨漏れを長期的に防いでいきましょう。
 パンセでは、外壁塗装時にも、足場上から瓦の状況を職人が点検、問題がある場合にはお客様へ診断状況と対処方法のご提案を差し上げております。

ザ・日本の瓦屋根。男って感じが、かっこいいですね~!

2.セメント瓦

 セメント系瓦は最近ではほぼ見なくなりました。ただ、まだ一部のお宅では現役で使用されている屋根材です。基本は瓦と同様なのですが、塗装で耐久性が左右されるので、定期的な塗替が非常に重要です。

 さらに塗装においては、既存塗膜の剥離が生じやすく、塗替後のトラブルも多いので注意が必要です。

 塗替時には、既存の塗膜を時間をかけてしっかりと研磨、取り除いてから塗装を行う事。そして旧塗膜と瓦素地両方に対して密着力の強い(ただし、密着力が強いと旧塗膜を犯す可能性が高いので、バランスが重要となります。)下塗りを判断し、確実に施工を行う必要があります。
 パンセでは、調査段階から、劣化の状態を精確に判断、塗替・葺き替えどちらが良いのかご提案しています。

セメント瓦はこのような瓦です!

3.スレート瓦(コロニアル・カラーベスト)

 スレート瓦は洋風の見た目と作業性の良さ、そして比較的価格を抑えられる屋根材として、今でも多くの住宅に採用されている素材です。福井でも多くのお宅で使われていますが、原料はセメントと繊維質の素材を使用して、平板や瓦状に加工をした材料です。素材の軽さから住宅の耐震性を上げる事を目的として採用されていますが、表面は塗装仕上げであり、定期的な塗替を必要とします。

 ただし、スレート系は1~2回程度の塗替後の次のメンテ時には、素材の劣化のため、葺き替えを必要とされる事例が多い様です。スレートは瓦の様に重ねて葺き、内部に浸水した場合に備え、重ね部分には一定の隙間が空く様、設計されています。
 ですが、重ね部分等、外部に面しない箇所は未塗装であり素地のままです。つまり、内部浸水してもすぐに排出されるという前提で葺かれている素材で、勾配も3寸以上を必要とします。特に福井などの積雪があり、内部に浸水しやすい地域では、4寸以上が良いとされます。
 重ねの隙間ですが、実は劣化による反り等で狭まり、毛細管現象を起こす事で内部に浸水が起こります。長期間水分を保つ事で塗装されていない内側素地を傷めるだけでなく、表面の塗装まで傷め、同時にスレート下に防水のため敷かれているアスファルトルーフィングを劣化させ、最終的には室内への雨漏れへとつながってしまいます。

 一般的な施工方法として、塗替の場合は高圧洗浄後、下塗り中塗り上塗りの3工程となります。重なり部分は塗料が毛細管現象で吸われるため、縁切りという作業で塗料に切り込みを入れて隙間を作る事となります。
 パンセでは、縁切りについては専用部材を重なり部分に取付してから塗装を行う事で、毛細管現象及び雨漏れ防止を行います。もちろん、お客様からご相談いただいた時点で、塗替か葺き替えが必要かをしっかりと調査し、地元職人らしいしっかりとしたご提案を行っております。

「屋根」=「黒・灰色」という概念をぶち壊し、日本の住宅をお洒落なイメージに変えた『張本人』とも言えるでしょうね。

4.トタン屋根

 トタン(板金)屋根は住宅、店舗、工場を問わず選ばれる屋根材のひとつです。葺き方も様々で、瓦棒、立平拭き、AT式、波板などがありますが、現在は立平葺きが多く採用されています。耐久性と耐震性、積雪にも強く、陸屋根の様なフラットな屋根仕上げも可能であるのも魅力のひとつです。

 トタンは雨音が響くと言われますが、最近は下地に防音素材のものを施工する事で解消されます。形への不満がなかったとしたら、デメリットも少ない素材です。トタン素材自体も、ガルバニウム鋼板の採用により錆びにくく、以前は痛みやすかった加工部分もかなり傷みにくいので、安心してお使いいただけます。
 トタンはそれ自体が錆びていなかったとしても、もらい錆による劣化の可能性があるので、鉄粉などの付着に注意が必要です。トタン屋根は錆がひどく、トタンに穴が開くほどでなければ塗替で対応できます。

 ※ちなみにトタン屋根は「鉄」と「亜鉛」の合金です。

昭和50年代モノの時代映画によく出てくる屋根でもあります。

5.銅板屋根

 銅板屋根は最近では使用頻度が少なくなりましたが、玄関ポーチ屋根や縁側部分の屋根によく使用されている屋根材です。耐久性が高い事が特徴ではありますが、最近では酸性雨などの影響により劣化が早まっていると言われています。実際によく雨の当たる部分のみ、穴が開いてしまったという事例が多数あるのです。

 塗替では密着力が弱いため、剥離を起こす事もありますので注意が必要です。

 一般的には、葺き替えでは他の屋根材同様、既存屋根捲り後下地処理、防水シート張りを行って新規屋根材を葺きます。塗替では研磨処理後下塗り、中塗り、上塗りという工程を進めていく事となります。
 パンセでは、塗替については剥離が非常に起きやすい素材のため、お勧めしてしておりませんが、ご希望であれば専用の下塗りを使用しての施工も承っております。

6.ステンレス屋根

 ステンレス屋根はカラーステンと呼ばれる塗装仕上げのステン板を加工している屋根材です。錆に非常に強く、高耐久を必要とされている場所では使用されますが、費用的な事もあり、一般のご自宅では玄関ポーチなど傷みやすい一部の場所を覗いては、よく使用されるものではありません。

 ステンは塗装の密着力が弱く、加工時の剥離や再塗装時にも注意が必要です。

 一般的施工方法としては塗替の場合は研磨処理、下塗り、中塗り、上塗りとなりますが、下塗りは錆止めではなく、専用の密着材を塗装する事となります。葺き替えの場合は、既存屋根材を捲り、下地処理、防水シート張りを行ってから新しい屋根材を葺きます。
 パンセでは闇雲にステン屋根葺き替えを進めるのではなく、お客様の御要望に沿ったご提案を進めていく中の選択肢のひとつとして、ご紹介しております。塗替では剥離しやすい素材のため、各工程を確実に進めながら、長年の経験に基づき密着力の優れた材料を選定して施工を行っています。

7.アスファルトシングル

 アスファルトシングル屋根はガラス繊維にアスファルトを浸透させ、表面に砂粒で着色している屋根材です。耐久年数は20年程度と言われていますが、塗装でのメンテも可能です。
 アスファルトシングルは表面の砂が経年劣化で取れ、雨樋に溜まる事で流れが悪くなったり、排水詰まりの原因となる事もあります。ただし、柔軟性に優れるため、似た様な形状のスレートと違い、ひび割れせず錆も出ません

 アスファルトシングルを使うべき理由はないので、福井で使用されているお宅はあまり見かけません。一般的には10~20年で塗装を行い、素地劣化が発生したら葺替やカバールーフを行います。
 パンセでは素地劣化状況の調査を行い、プロの視点からベストな状態を判断、塗替・葺替の提案をさせて頂いております。

8.陸屋根

 陸屋根は鉄筋コンクリート造の屋根として、一般的に採用される屋根のひとつ。新築時はアスファルト防水後、現場打ちコンクリートによる保護層を作成し、耐久力を上げる工法を取っています。しかし、経年劣化により保護コンクリートのひび割れや伸縮目地が傷み、内部浸水してアスファルト防水が傷む事で雨漏れを起こします。この場合、どこが原因かと判断が非常に難しいのも陸屋根の特徴です。

 一般的に劣化時の修繕方法としては、①再度防水を行う方法 ②陸屋根上に屋根を載せる方法、がありますがほとんどの場合、防水での修繕が行われます。
 防水についてはアスファルト防水(トーチ工法等)、シート防水、ウレタン防水、FRP防水と選択肢は多くありますが、イニシャルコストとランニングコストをトータルで考慮するとシート防水かウレタン防水を選ぶのが良いでしょう。どちらの防水を選んだとしても、陸屋根の面積に応じて脱気装置を取付し、素地から排出される水蒸気を外部へ排出出来る様にします。

 注意点として、現場打ちコンクリートはおおよその勾配は取っていますが、しっかりと勾配が取られている事はありません。つまり、ドレン(排水口)へ流れずに、陸屋根の上で水たまりが出来るのです(ただし、保護モルタルに吸い込まれて水たまりが出来ない場合もありますが、ほぼ勾配は取れていません)。修繕時の防水施工では、この保護モルタル上に防水処理の下地としてカチオンフィラー等防水モルタル系の下地をする事がありますが、この下地でも勾配修繕はしない為、水たまりが出来る事もご承知おき下さい。
 パンセでは調査時に勾配状況の確認も行いながら、しっかりと勾配を取る必要性があるかも点検し、お客様のご希望を伺いながら適切なご提案をさせて頂いております。

よく見る陸屋根

戸建て住宅でも増えています

 ちなみに工事種目ごとの予算目安は、以下のとおりです。

工事の種類耐候年数費用(㎡)箇所
ウレタン防水10年9,500~12,000円すべて
シート防水(ゴム)10年7,500~9,000円陸屋根
シート防水(塩ビ)15年9,000~9,800円陸屋根
FRP10年5,000~7,000円ベランダ
アスファルト防水15年10,000~15,000円陸屋根

屋根の葺き替えをしなくて良い変わりに、防水工事は必要ということですね。

9.折板屋根

 折板屋根は工場や車庫、倉庫等によく使用される屋根材で、緩勾配での施工が出来るため内部空間を天井まで広く利用できる為、採用される屋根材です。山型の形状で鋼板の強度が上がるので福井の重たい雪でも雪下ろしをせずとも傷みが少ない(構造体の状態で雪下ろしは必要ですが)屋根材です。通常、ガルバニウム鋼板を加工し作成されているので、非常に錆に強いのも特徴です。

 折板の山部分に構造体と接合する為のボルトが露出されており、この部分からの錆が出やすいので注意が必要です。それから、緩勾配により屋根上に落ち葉などが溜まりやすく、雨で流れたとしても雨樋に落ちにくい為に水が溜まってしまう事もあります。

 一般的には錆びていても塗装での修繕でほぼ問題ありません。鋼板の厚みが他の金属屋根と比べ、圧倒的に厚いのです。よって、研磨処理後錆止め、中塗り、上塗りの3回塗りを行います。
 パンセでは調査時に錆部分の研磨では錆を完全に撤去不可だと判断した場合には専用薬材による錆転換処理を行い、錆を無くしてから錆止め塗装を行う提案をさせて頂いております。

大きな空間を持つ建物の屋根には最適な屋根とも言えるでしょう。

 以上が、いろいろな屋根材についてでした。私たちペイントパンセのように、長年塗装工事を行っていると、どうしても、次の塗替え時期になると「屋根はもうそろそろ交換したい…」という意見も出てきやすいので、屋根の交換なども行っております。

 塗装工事でメンテナンスできるのか、屋根の葺き替えをしたほうが良いのかも、無料診断をさせていただきますので、以下よりお尋ねください。


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