この記事を読んでいる方は「日射反射率」についてご存知ですか?
日射反射率とは、太陽光に含まれる近赤外領域の光を高いレベルで反射することを言います。
反射によって、屋根面の温度上昇を抑えることができます。
今回は、屋根と日射反射率の関係について説明致します。
屋根の色によって効果が異なるため、注意して見ていきましょう。
□遮熱塗料と日射反射率
紫外線を反射することで、屋根の表面温度と屋根裏温度を下げる役割をもっています。
日射反射率は色が明るいほど効果が著しく現れます。
ここで、同じ種類で色の異なる遮熱塗料を使って日射反射率を比較します。
結果として、黒系の遮熱塗料の日射反射率は約30パーセント、白系の遮熱塗料の日射反射率は約90パーセントという結果が出ました。
□高反射するメカニズム
遮熱顔料を使用することで、近赤外線領域の光を反射します。
光線が反射することで、塗装素材への熱が抑制されます。
遮熱顔料は、一般塗料よりも色のバリエーションに制約があります。
なぜなら、特殊な顔料を使用しているからです。
しかし、将来的にバリエーションは増えていくと予想されています。
□屋根の遮熱塗装の種類
屋根用の遮熱塗装の種類は以下の通りです。
水性・溶剤タイプの中でウレタン・アクリルシリコン・フッ素があります。
さらに、中空バルーンを配合した熱遮蔽塗料との組み合わせによって遮熱効果を高めたり、防音効果を持ち合わせたりします。
□遮熱塗料の今後
最近の遮熱塗装は、耐久性が強くなっています。
シリコン、フッ素樹脂系といった高耐候性樹脂系製品の増加、反射性能による持続性を保つために、低汚染性機能化が定着しています。
最近では、濃い色の塗料に使うクロム系顔料をクロムフリーといった環境に優しいものが開発されました。
塗装業界がCO2削減に貢献する商品を売り出し、成功しているのです。
遮断塗料が標準仕様の時代が訪れるかもしれません。
□成型ガルバリウム鋼板屋根
*成型ガルバリウム鋼板屋根とその他の金属屋根
成型ガルバリウム鋼板屋根にはさまざまな種類の色があります。
自分の好きな色を選ぶのがおすすめです。
また、成型ガルバリウム鋼板屋根は遮熱塗装と断熱材の性能を持っています。
なぜなら、遮熱塗料と断熱材、そしてアルミが組み合わされているからです。
金属屋根の中でも、トタン屋根や立平屋根といった断熱材の性能がないものがあります。
これらを選ぶ場合は、なるべく明るい色のものにしましょう。
逆に、成型ガルバリウム鋼板屋根は色によっての差はあまりありません。
*金属屋根の色による違い
金属屋根の色には、ブラック、ブラウン、チャコール、ブルー、グリーンとさまざまな色があります。
日射反射率の測定結果では、反射率の高い順に並べると以下の通りです。
チャコール、ブルー、ブラウン、グリーン、ブラックです。
チャコールの反射率は、ブラックの3倍以上になります。
しかし、金属屋根の人気な色は、ブラック、ブラウン、グリーン、ブルー、チャコールです。
残念なことに、最も性能がよいチャコールの人気が低く、反射率の低いブラックが最も人気なカラーです。
ブラックは汚れが目立ちにくく、外壁の色とマッチすることから選ばれやすいのかもしれません。
□日射反射率の高い白色の屋根
白の屋根は遮断効果が高いと言われています。
データでは、一般的に塗装の黒の屋根を遮熱塗装の白の屋根に変えることで表面の温度が約20度下がり、屋根裏の温度が約10度下がりました。
明度が高い色ほど、日射反射率が高くなるという関係性が分かっています。
屋根への蓄熱を抑えてくれる優れものですが、汚れが目立ちやすいというデメリットも持ち合わせています。
そのため、真っ白の屋根より、少し色の入った薄い色の屋根にした方が良いでしょう。
□屋根の色を決める際の注意
外壁と色のバランスが良いかを確認しましょう。
前述した通り、屋根の色でデザイン的に取り入れやすいのは、一番日射反射率が低いブラックです。
デザイン性か機能性のどちらを優先するのかを検討して、自分の理想の屋根にリノベーションしましょう。
屋根の色を決める際は、カタログを見て考える場合が多いと思います。
しかし、カタログに載っている屋根の塗料の色合いより、実際に塗られた屋根の色の方が明るく見える場合が多いです。
なぜなら、面積が大きくなると色が明るく見える傾向があるからです。
そのため、イメージする色より暗い色を選んだ方が良いでしょう。
□まとめ
屋根の色と日射反射率の関係性についてご理解いただけたでしょうか?
当社では、屋根の塗装に関してお客様の希望を叶える施工を行えるように施工内容の決定から施工まで全面的にバックアップ致します。
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