手すりリフォームを考えるきっかけ
手すりリフォームは以下の4つのきっかけがあったときに検討しましょう。
1.足腰が弱ってきたと感じた時
一つ目は足腰が弱ってきたと感じた時です。具体的には、
①立ったり座ったりする時、よっこいしょと言った声が出てしまう
②つかがって立ち座りする方が楽だと感じる
③膝や腰を痛めてしまった
④体重が重くて立ち座りに負担を感じる
⑤地べたに座ったら立つのに時間がかかる
⑥正座するとすぐ足がしびれる
⑦何もないところで転びやすい
⑧階段から落ちたことがある
このような方は手すりがあると快適に移動ができますのですぐに検討しましょう。
2.滑りやすい場所がある時
二つ目は滑りやすい場所がある時です。具体的には、
①濡れると滑りやすいお風呂場、脱衣所の床
②ワックスで滑りやすい廊下や部屋の床
③濡れると滑りやすい玄関ポーチやアプローチタイル
④油で滑りやすくなる台所の床
⑤怪談の下り時に足を滑らせたことがある
わかっていても滑ってしまうのが滑りやすい床です。事前の危険防止のために手すりリフォームを検討しましょう。
3.段差がある場所
三つ目は段差がある場所です。具体的には、
①トイレやお風呂場などの出入口
②階段
③部屋の敷居
④玄関框
⑤増築時の廊下のつなぎ部分
年を重ねるにつれ、自分が思っているほど足が上がっていない事があります。段差でつまずきやすいと感じたらすぐに手すりリフォームを考えましょう。
4.介護保険の要介護認定を受けた時
四つ目は介護保険の要介護認定を受けた時です。認定された方は、
・立ち座りが困難な方
・移動に補助が必要な方
・長い距離の移動が困難な方
・車いすでの移動に介助が必要な方
介護保険は住宅改修時に費用を申請が可能です。ケアマネージャーに相談してすぐに手すりリフォームを検討しましょう。
手すりリフォームとは
手すりリフォームとは具体的には以下の3つの方法があります。
1.手すりを壁に直接取付する手すりリフォーム
一つ目は手すりを壁に直接取付する方法です。新築時に後から手すりを取付することを考慮して下地がされている場合、手すりを直接取付するリフォームの事を言います。
2.受枠を取付後に手すりを取付する手すりリフォーム
二つ目は受枠を取付後に手すりを取付する方法です。下地のない壁に受枠を間柱を下地利用して取付、受枠に手すりを取付するリフォームの事を言います。一般的にはこの取付方法が最も多いです。
3.支柱の上に手すりを取付する手すりリフォーム
三つ目は支柱の上に手すりを取付する方法です。床に手すり取付用の支柱を90センチ間隔で取付し、その上に手すりを取付するリフォームの事を言います。手すりを付ける壁がない場所で行う方法です。
4.後付用アンカーを使って手すりを取付する手すりリフォーム
四つ目は後付用アンカーを使って手すりを取付する方法です。穴をあけたところに後付用アンカーを取付、ボルトを締めると壁内のアンカーが開いて壁に固定されるので手すりを取付するリフォームの事を言います。主に古いユニットバスに手すりを取付する時に行う方法です。
手すりリフォームの費用相場をご紹介
手すりリフォームはmあたり15,000円から30,000円くらいです。手すりを付ける場所、使う材料、建物の構造などで価格は変わりますので、希望を伝えて提案内容と価格を確認しましょう。
プロが教える手すりの選び方
プロはお部屋に合わせた手すりを以下のように選んでいます。ぜひ参考になさってください。
1.トイレの手すりの選び方
トイレの手すりを選ぶ時は以下のように考えて手すりを選びます。
①立つ時に利き手となる方に取付する
②L利き手側に手すり取付出来ないなら利き手側にカウンター、逆側に縦手すりを取付する
⑤部屋の幅が75センチ以下なら片側に手すりを集める
⑥立ち座りが非常に困難ならひじ置き型手すりを選ぶ
⑦移動に補助が必要なら出入口枠近くに縦手すりを取付
基本はL型、縦は手すり、横はカウンターを選ぶとトイレでの立ち座りはとても楽に動作が行えるようになるとプロは知っています。
2.お風呂の手すりの選び方
お風呂の手すりを選ぶ時は以下のように考えて手すりを選びます。
①お風呂の移動に補助が必要なら出入口部分に縦手すりを選ぶ
②お風呂の移動に補助が必要、転倒防止が必要ならシャワーまでの間に横手すりを選ぶ
③洗身はフロイスを使い、より介護が必要ならベンチ付きカウンターのユニットバスを勧める
④洗身時の立ち座りのために縦型手すりを選ぶ
⑤浴槽への移動、入浴時の転倒を防止するなら浴槽壁面にL型手すりを選ぶ
⑥浴槽の出入が困難ならステップ付き浴槽を勧める
⑦浴槽の立ち座りに補助が必要なら浴槽横に手すりを選ぶ
浴室は移動と転倒防止、立ち座りの3つの動作を考えて手すり位置を検討することをプロは考えています。
3.廊下の手すりの選び方
廊下の手すりを選ぶ時は以下のように考えて手すりを選びます。
①壁に下地があるなら直接、下地がないなら受枠を取付して手すりを取付する
②握力がある方なら丸棒手すり、握ることが出来ない方は平型、グリップ付手すりを選ぶ
③取付する距離が短いなら通常タイプ、長いならストロングタイプを選ぶ
④手すりの端(エンド)は必ず壁側に曲げる
⑤出角、入角はコーナー材を使ってつなげる
⑥吐き出し窓など受け金具が取付出来ない場所は、手すりを付けないもしくは支柱を立てて手すり取付する
廊下の手すりは下地の有り無しを必ず確認、できる限り切れ間のない様に取付出来ないかとプロは考えています。
4.階段手摺の選び方
階段手すりを選ぶ時は以下のように考えて手すりを選びます。
①降りる時に利き手となる側に手すりを取付します
②壁に下地があるなら直接、下地がないなら受枠を取付して手すりを取付する
③階段手摺は丸棒手すり、握力の弱い方が使われるならグリップ付手すりを選ぶ
③取付する受け金具の位置を考えながら通常タイプ、ストロングタイプを選択する
④手すりの端(エンド)は必ず壁側に曲げる
⑤入角はコーナー材を使ってつなげる
⑥登りはじめなど壁に取付する場所がない場合は支柱を取付して手すりを取付する
⑦階段の始まりと終わり部分は斜めで終わらずに横へ20~30センチ伸ばす
階段の手すりは利き手と下地の有り無しを必ず確認、転倒防止のための取付を第一にプロは考えています。
5.アプローチ手すりの選び方
アプローチ手すりを選ぶ時は以下のように考えて手すりを選びます。
①手すり取付後に玄関、駐車場などへの行き来が不便とならない方に手すりを取付する
②玄関ポーチ部分は壁取付可能か判断する
③ポーチ階段に支柱を取付する時に段の中央付近に支柱が来るようピッチを確認する。ピッチは90センチ間隔。
④リフォームの場合、支柱はアンカー取付式を選ぶ
⑤手すりの端(エンド)は必ず壁側に曲げるか下側へ曲げる
⑥出角、入角はコーナー材を使ってつなげる
アプローチ手すりは玄関への行き来が不便とならずに転倒防止を考慮してプロはプランニングしています。
手すりリフォームの施工事例
手すりリフォームで失敗しないために気を付ける4つの注意点
1.どこに危険が潜んでいるか知っておくこと
手すりは危険防止のために行うリフォーム。どこに危険が潜んでいるのか知っておく必要があるのです。これは多くの経験と知識を持ち合わせている業者を選ぶのが一番です。選ぶコツは介護保険での改修工事経験の豊富さと介護施設等での工事実績、事務所登録されている建築士事務所の管理建築士が設計しているか確認しましょう。
2.利き手側に取付すること
必ず下り時に利き手側となる様に手すりは取付します。階段、段差の下り側が登りと比べ転倒での怪我の危険性が高いからです。
3.握力に合わせ手すりの形を選ぶこと
高齢者で要介護認定されていれば住宅改修で最高額20万円まで住宅改修費を介護保険から補助されます。使わずに工事も可能ですが、住宅改修を使えばケアマネージャーと建築士、プロの意見からあなたに最適な場所、高さでの手すり取付が可能となるため住宅改修を利用して工事を行うほうがトータル的にお得です。